強迫症(強迫性障害/OCD)

強迫症(強迫性障害/OCD)とは

強迫症(強迫性障害/OCD)は、「頭から離れない不安やこだわり(強迫観念)」と、それを打ち消すために繰り返す行動(強迫行為)」が特徴です。

たとえば、「ドアの鍵を閉めたか不安で何度も確認する」「手を洗わないと病気になるのではと感じ、何時間も手洗いを続ける」など、日常生活に支障をきたすほど繰り返してしまいます。


強迫行為をすると一時的に安心できますが、不安はすぐに戻り、さらに繰り返すことで悪循環が生じます。自分でも「やりすぎ」と感じてもやめられず、仕事や人間関係にも影響が出ることがあります。周囲には理解され辛く、孤立感を感じやすい疾患です。

強迫症(OCD)のセルフチェック

症状によって悩まされたり日常生活を困難にしていたら、専門家の治療を受ける目安です。以下の様なことはありませんか?


◆ 日常生活や仕事、友人関係への影響

  • 玄関や窓の戸締り、ガスの元栓の確認、手洗い、靴や雑貨をあるべき場所に並べるなどを何度も繰り返してしまい、その結果、約束や仕事の時間に間に合わなくなることがある。
  • 手洗いや歯磨きに1時間以上かかるなど、生活に支障をきたすほど特定の行動を続けてしまうことがある。
  • ドアを4回ノックしないと落ち着かない、奇数では何か悪いことが起きるように感じて決められた回数おこなわないと気が済まないことがある。

 
◆ 家族や周囲の人への影響

 

  • 戸締りやガスの元栓の確認、アルコール消毒などを、家族や恋人にも求めることがある。
  • 家族や周囲の人にも、何度も手を洗ってもらう。
  • 自分が「きれいである」ことを家族にも確認してもらうために、お風呂の時などに見ていてもらうようお願いすることがある。
  • 車で人を轢いていないことを確認するために、同乗者に「轢いていない」といってもらう。 また、交通事故のニュースを頻繁に確認してもらう。


これらは強迫症・強迫性障害の方によくみられる症状です。気づいたら早めに専門家に相談しましょう。

強迫症(OCD)に有効な治療

治療方法には、薬物療法認知行動療法(CBT)があります。

どちらも医学的なエビデンスのある治療方法です。

併用されることも多く、お薬で不安な気持ちを抑えて認知行動療法の課題に取り組みやすくします。

インサイティアでは、認知行動療法を提供しています。

医療機関のご紹介が必要な方はご相談ください。

お薬を飲むことに抵抗がある方は、認知行動療法のみに取り組むこともできます。

強迫症(OCD)の認知行動療法

強迫症(OCD)は、「不安を減らすためにやっている行動(確認、手洗い、数を数えるなど)が、逆に不安を強めてしまう」状態です。治療を通じて「不安に振り回されない自分」 を目指します。

認知行動療法(CBT)は「不安との上手な付き合い方」を学ぶトレーニングです。

「曝露反応妨害法(ERP)」
ERP(エクスポージャー&レスポンス・プリベンション)は、

① あえて不安を感じることに挑戦し、
② 強迫行為をせずに我慢してみる治療法です。

たとえば…

  • 何度も戸締りを確認 →  1回確認したら終わりにする
  • 手洗いが止まらない →  汚れが気になっても、5分は我慢

 

「あれ?意外と大丈夫かも・・」と思える経験を積むのがポイントです。

最初はちょっと怖いかもしれませんが、小さな成功を積み重ねることで不安が低減していきます。

 

  •  「少しずつ」「できることから」挑戦していきます。
  • あなたのペースで、カウンセラーと一緒に考えながら進めていきます。