摂食障害は、「食べること」と「こころ」のつながりに問題が起きてしまう心の病気です。見た目や体重に強くこだわることで、健康を損なうような食事のしかたが続いてしまいます。誰にでも起こりうることで、決して「わがまま」や「甘え」ではありません。
神経性やせ症(拒食症)
食べることへの強い不安や恐怖から、極端に食事を制限してしまい、体重が健康的な範囲を大きく下回る状態が続きます。痩せていても本人は「まだ太っている」と感じることが特徴です。
神経性過食症(過食症)
一度に大量に食べた後に、嘔吐や下剤の使用などで体重増加を防ごうとする行動を繰り返します。食べることへの罪悪感や自己嫌悪が強くなることがあります。
過食性障害
短時間に大量の食べ物を摂る「過食」はあるものの、嘔吐などの代償行動は伴いません。体重が増えやすく、肥満や生活習慣病と関係することもあります。
摂食障害は、単に食べ方の問題ではなく、ストレスや自己評価の低さ、家庭や学校・職場での対人関係、SNSなどから受ける影響など、さまざまな要因が関係しています。「もっと頑張らなきゃ」「人に嫌われたくない」といった思いが根底にあることも多いです。
摂食障害は、適切な支援と治療によって回復できる病気です。こころとからだの両方にアプローチすることが大切です。
最も効果的とされる心理療法のひとつが「認知行動療法(CBT)」です。CBTでは、「食べること」「体型」「自分自身」に対する偏った考え方を見直し、バランスの取れた行動を増やすことを目指します。
インサイティアでは摂食障害のCBTが受けられます。
たとえば、「太ったら価値がない」と思い込んでしまう考え方を、「私は私で大切な存在」ととらえ直せるようサポートします。
食事日記をつける、思考と感情を振り返る練習など、日常生活に役立つスキルも身につきます。
特に思春期の方では、家族全体への支援も重要です。家族療法では、責めたり心配しすぎたりせず、どう関われば本人が安心できるかを一緒に考えていきます。
栄養状態や身体の健康状態を確認するために、内科との連携が必要な場合もあります。心と体の両面から支えるチーム医療が理想です。
このページには、摂食障害の概要や相談先一覧、各地の専門医療機関のリンクも掲載されています。
国立精神・神経医療研究センターによる摂食障害全国支援センター
摂食障害ポータルサイト
https://edcenter.ncnp.go.jp/edportal_general/
「自分は病気かもしれない」と思ったとき、または「大切な人が悩んでいるかも」と感じたときには、ひとりで抱え込まず、まずは専門家に相談してください。早めの対応が、回復への第一歩になります。カウンセリングオフィスインサイティアでも、安心して相談できる場所づくりを心がけています。
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