臨床心理士・公認心理師
学習院大学大学院 人文科学研究科 臨床心理学専攻 修士課程修了。日系および外資系企業にて約10年間、営業職として勤務。その後、心療内科や東京都庁 健康管理室にて臨床経験を積み、現在はPTSDやストレス関連疾患、摂食障害の臨床研究に関わっています。異なる文化的背景を持つ方々への心理支援を多言語で提供しています。
これまで働く人や、DV・犯罪被害等にあわれた方、摂食障害の方への治療と研究に携わって参りました。わたしたちの毎日はストレスフルで、安心できる基盤なしではすぐに疲弊してしまいます。メンタルヘルスの不調を抱える方の多くは頑張り屋さんで、ひとりで頑張りすぎて限界を迎えて初めて我々のところへいらっしゃいます。一度メンタル不調を抱えると、日々の生活を取り戻すのに時間が掛かりますが、腰を据えて再発を防ぐ方法を一緒に考えるチャンスでもあります。
わたしの社会人のはじまりは、罵倒や𠮟責の絶えない会社でした。当時は発達障害が認知されていない中で、多発する事務的なミスを自分の努力不足だと感じながら働いていました。いま思えば、典型的なADHDの特性でした。日々、上司に怒鳴られる中で、自己価値が下がっていくのを感じていました。会社員生活の中で、身近な人が苦しみを抱え、中にはこの世を去ってしまったこともありました。
また、わたしは日本では数少ないクリスチャンとして生きています。マイノリティとして見える世界は、周囲の当たり前との違いを意識することなく暮らしている、"普通" のひととは異なる色を持っています。
そういった経験から Counseling Office INSIGHTIA を始めました。
INSIGHTIAは、”INSIGHT(内省する)”と、”Tia(場所)”を組み合わせた造語です。この名前には「誰もが安心して自分自身と向き合い、気づきを得られる場所でありたい」という思いが込められています。
宗教、国籍、性別、性的指向にかかわらず、ひとりひとりが生きやすくなるお手伝いをさせて頂ければ嬉しく思います。
Wakako Nakano
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 行動医学研究部 科研費研究員